ウイスキーがある風景って、なんかカッコいい
映画や音楽から感じる、ウイスキーの余韻
バーで一人、グラスを傾ける主人公。
ソファに沈みながら、静かにウイスキーを飲むアーティスト。
映画や音楽のなかでウイスキーが登場すると、そこには言葉では表せない空気感やストーリーが生まれます。
今回は、そんな「ウイスキー×カルチャー」の関係を、名シーンとともに味わってみましょう。
映画に登場する“ウイスキーの名場面”
『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)
主演:ビル・マーレイ
ウイスキー:サントリー響
「For relaxing times, make it Suntory time」
この一言で、日本のウイスキーが世界に知られるきっかけになったと言われる作品。
静かなホテルのバーでグラスを傾けるその姿は、孤独と優雅さが溶け合ったような静けさを感じさせます。
サントリー響のやわらかく上品な香りが、映画全体のトーンにぴったり。
『キングスマン』(2014)
登場ウイスキー:ダルモア、グレンダロッホなど
英国スパイの世界を描いた本作では、スーツとウイスキーの組み合わせがとにかく粋。
「男のたしなみ」的にウイスキーが自然に登場し、銘柄の選び方にもこだわりが。
- ダルモア:濃厚なシェリー香が印象的なハイランドモルト
- グレンダロッホ:アイルランドのクラフトウイスキー
飲みながら「今日はちょっと英国紳士になってみようかな」と思える一本を。
『ブレードランナー』(1982/2049)
登場ウイスキー:ジョニーウォーカー ブラック、2049年限定ボトルも登場
近未来のハードボイルドな世界でも、やっぱりウイスキーは健在。
特に印象的なのは、レプリカントと人間の曖昧な境界線のなかで、変わらない“人間らしさ”の象徴としてのウイスキー。
ブラックラベルのスモーキーでビターな余韻は、夜にぴったりの相棒です。
音楽とウイスキー:語らずとも通じ合う“香り”のような関係
ウイスキーと音楽は、ときに感情を引き出す装置として似ています。
ブルース&ジャズ × アメリカンウイスキー
スモーキーな酒場、くゆる煙、掠れた声。
そこにあるのはやっぱりバーボンやライウイスキー。
- B.B.キングやレイ・チャールズの曲とともに、ジムビームをゆっくり
- サックスの響きには、メーカーズマークのバニラの甘さが似合います
ロック × スコッチウイスキー
70年代ロックと、深く響くピートの香りは、どこか似た者同士。
とくにアードベッグやラガヴーリンのような“クセあり個性派”モルトは、名盤と一緒に味わいたい。
- レッド・ツェッペリン × ラフロイグ
- ピンク・フロイド × ボウモア18年
体に染みるような香りと音が、ふっと夜に溶けていく感じが心地いい。
まとめ:飲む前に、観て、聴いて、ウイスキーを“感じる”
ウイスキーは、グラスの中だけのものじゃありません。
映画のワンシーン、音楽の旋律、香りの記憶。
そんな“飲まずに味わえるウイスキー”が、実はたくさんあるんです。
私自身、ある夜ふと流れてきたトム・ウェイツの声に導かれて、ストレートでバーボンを注いだことがあります。
酸いも甘いも混じったその一杯は、音楽と一緒に、なんだか人生を飲んでいるような感覚でした。
今夜は映画を一本、音楽を一曲。
そしてその世界に似合うウイスキーを、ゆっくり選んでみてはいかがでしょうか?
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